仮想通貨で用いられるDLT(分散型台帳技術)とはどんなもの?特徴や使用例について

2018.09.06 (木) 17:00
仮想通貨で用いられるDLT(分散型台帳技術)とはどんなもの?特徴や使用例について

仮想通貨で用いられるDLT(Distributed Ledger Techonology:分散型台帳技術)とは、集中管理者が存在せず、分散された台帳をユーザーみんなで共有する技術のことをいいます。

その代表的な例が、ブロックチェーンの仕組みです。

この記事では、DLTの簡単な解説や使う上でのメリット、ブロックチェーン以外の例などを解説していきます。

 

1 DLT(分散型台帳技術)とは?

DLTとは、台帳を一元管理するのではなく、ネットワーク上に分散して管理する技術のことです。

具体的には、ひとつのサーバーや主体団体が台帳を管理する、従来の「中央管理型」台帳ではなく、その台帳を広くネットワーク上で共有します。

ビットコインなどの仮想通貨を支えている「ブロックチェーン」も、DLTを使用しています。

ブロックチェーンの場合は、取引記録を分散させてお互いにチェックし合うことで、取引の整合性を確かめています。

このシステムのおかげで、ビットコインは中央政権がなくても通貨の取引や調整を可能にしています。

ブロックチェーンはDLTの代表的な例ではありますが、DLT=ブロックチェーンというわけではありません。

 

さまざまな種類があるDLTの中で、その中心的存在となるのがブロックチェーン技術です。

ブロックチェーンは、DLTのひとつに過ぎません。

DLTはビットコインや仮想通貨の界隈だけで使われる技術ではなく、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)や金融業界で大きく注目されている技術です。

 

2 DLTのメリット

DLTのメリット

DLTのメリットは、不正取引や改ざんができないこと、そして、システムダウンに強い点です。

従来型の中央管理型では、管理者の存在があるため、悪意を持った人が管理者サイドにいた場合、不正に取引を行ったり改ざんされたりする可能性がありました。

ユーザーが安心してシステムを使うためには管理者の信頼性が大切ですが、管理者に悪意があるかを見抜くのは難しいでしょう。

しかし、台帳をネットワーク上で分散し、多くのユーザーが管理に携わることで不正取引や改ざんがほぼ不可能となります。

万一データが改ざんされても、すぐ気付くことができ、あとからどこでデータが変更されたか遡って調べることが可能です。

このように従来の管理方式に比べて信頼性が高く、ユーザーが安心してシステムを使えるというメリットがあります。

また、システムダウンに強いのも大きなメリットです。

中央管理型の場合、一元管理している団体(会社など)のサーバーやコンピューターにトラブルがあると、システムが稼働できなくなります。

しかし、分散管理していれば一部のノードが停止してもシステムを稼働し続けることが可能です。

外部からのハッキングにも強く、安定したシステム運用が可能です。

 

3 DLTの使用例

DLTの使用例

ここからは、DLTの実際の使用例をいくつか紹介していきます。

冒頭でも説明しましたが、DLTの代表格といえばブロックチェーン技術です。

ブロックチェーンにはオープン型とクローズド型があり、オープン型を採用しているのがビットコインなどの仮想通貨です。

ビットコインの取引には中央管理者が存在せず、誰でも自由に取引を承認する採掘(マイニング)という行為に参加可能です。

ビットコインを送るなどの取引を行う際には必ず承認が必要で、承認されるとブロックチェーンにデータが記録されます。

 

これらの情報はブロックチェーンを通じて皆に共有されるため、不正や改ざんが行われず、管理者がいなくても安心してシステムを使うことができます。

ブロックチェーンが使われているのは、仮想通貨だけではありません。

 

例えば、オンライン上で電子投票を行うシステムにブロックチェーン技術を使えば、投票内容が改ざんされるリスクがなく、瞬時に投票結果をまとめることが可能です。

投票所に行かなくてもパソコンやスマートフォンから票を投じられるため、気軽に参加できます。投票所も不要なので、会場や人員の確保も不要になります。

改ざんされずに透明性の高い取引内容が残るメリットがあるため、省庁でもブロックチェーンの導入検討が進んでいるようです。

金融取引やサプライチェーン・マネジメント、食の安全性管理、医療データ、行政文書の管理や選挙のオンライン投票など、さまざまな分野への応用が期待されています。

 

4 ブロックチェーン以外のDLTについて

ブロックチェーン以外のDLTについて

ブロックチェーンがDLTの代表的な例であることは前述しましたが、DLTはそれ以外にも広く利用されています。ここからは、ブロックチェーン以外のDLTについて説明していきます。

 

4.1 XRP Ledger

「XRP Ledger」は直訳すると「XRPの台帳」で、その名のとおり、リップル(Ripple)の決済プラットフォームに使われる分散型台帳技術のことです。リップルには複数の意味があり、仮想通貨のリップル(XRP)を指す場合もあれば、XRPを使用する送金システム全体を指す場合もあります。

XRP Ledgerは、この決済プラットフォームに使用される分散型台帳のことで、取引の承認が分散されたネットワーク参加者によって行われるため、取引記録の改ざんや不正がほぼ起こりません。

ビットコインと大きく違うところは、オープン型ではなくクローズド型であり、Validatorと呼ばれる信頼できる一部のノードのみが承認を行う点です。

より短い時間で決済が完了するため、高速で低コストな決済送金システムとして期待されています。

 

4.2 Orb DLT

「Orb DLT」は、株式会社Orbが独自にリリースしたDLTのサービス名です。Orb DLTは、決済だけでなく、契約も行えます。

ビットコインとの違いは、承認にPoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステイク)を改変した仕組みを採用しており、マイニングでの行き過ぎた競争を抑止する仕組みを有しているところです。

Orb DLTは、ユーザー間の決済手段だけではなく、契約をも安全に、しかもリアルタイムに行えるプラットフォームとして期待されています。

 

4.3 BBc-1

「BBc-1」は、一般社団法人ビヨンドブロックチェーンが公開したDLTです。オープン型のブロックチェーンとクローズド型のブロックチェーン、両者のメリットを搭載した「ハイブリッド型ブロックチェーン」技術で、現行のブロックチェーン技術の欠点を解消した、分散型台帳技術を目指しています。

 

ブロックチェーンでは秘密鍵を紛失、または盗まれた場合、保有していた仮想通貨は永遠に失われてしまいます。しかし、BBc-1では秘密鍵を失った場合の回復手段を提供し、自分の仮想通貨を取り戻せるよう改善されています。

BBc-1は、ドメイン、履歴交差、署名要求による合意、関係性の表現という新しい概念を取り入れた、従来のブロックチェーンとは異なる新しいDLTです。すでに、デンソー、MUSCATスペース・エンジニアリング、アイネス総合研究所、横河電機、ゼタントなど、さまざまな会社と協力してビジネスへの応用が進んでいます。

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